アメリカの入国審査の長い待ち時間を短かくすることができる「モバイルパスポートコントロール(Mobile Passport Control(MPC))」というスマホアプリをご存知ですか?
入国手続きの簡略化や待ち時間を短縮するためにCBP米国国境警備局が提供するアプリで、申請や利用は無料。申請者は入国審査の際、MPC専用レーンに並ぶことができます。
MPCを申請したからといって入国審査が免除されるわけでも、入国が保証されるわけでもありません。申請者も入国審査を受けます。
でも待ち時間が短いだけでも疲れが吹き飛ぶはず。対象者なら神システム「モバイルパスポートコントロール」の申請を心からすすめます!!
本当に入国審査が爆速だった!
本当に入国審査が早くなるの?2024年6月にサンノゼ国際空港でアプリを使い入国してみました。
MPCがまだあまり周知されてないこと、私たちの飛行機より先に到着して審査を受けている人がほぼいなかったこともあり、専用レーンには私だけ。
レーンをどんどん歩き、先頭に着いた瞬間「next」と呼ばれました。
待ち時間0!過去最速!!
あまりの早さに自分が呼ばれたって気づかなかったほど。
入国審査ではパスポートなどの渡航書類に加え、”モバイルパスポートコントロールを申請した”という証拠としてMPC Receipt画面を表示したスマホも一応提示。審査官はスマホは見なかったですが。
入国手続き簡略化に関しては、審査時に顔写真を撮影しなかったことくらい?普通に質問も指紋スキャンもありました。税関の質問はなかったです。
MPCを使うと”入国審査の待ち時間は短縮、手続きはほぼ通常どおり”といったところでしょうか。でも、待ち時間がないだけでかなりハッピーでした。
モバイルパスポートコントロール申請前に知っておきたいこと
下記は2024年9月3日時点の情報です。
最新情報を確認
申請前にはMPCのウェブサイトMobile Passport Control (MPC)で最新情報/詳細を必ず確認して。申請条件や登録方法等は変更されることがあります。
※ウェブサイトとアプリは英語のみ。
MPC対象者、必要な渡航書類
MPC対象者
ESTA申請者、かつESTA認証による渡航が2回目以降の人
※過去に一度ESTAで入国したことがあれば、ESTAを再申請して1回目の入国でも、パスポートを更新してもMPCが利用できるようです。
アメリカ永住権保持者
アメリカ市民
カナダ国籍で米国B1/B2ビザ保持者
一度に同行する家族12人(自分を含め)まで申請可。
必要な渡航書類
申請時に渡航書類を登録します。ESTA認証はパスポート、米国永住権保持者はグリーンカードを登録してください。
希望者は複数の渡航書類を登録することができますが、上記の登録は必須です。
利用できる空港/港
ラスベガス、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、ホノルル、ニューヨークなどを含む52か所の空港や港。カナダでアメリカの入国審査を受ける場合も利用できます。
日本人旅行者が入国するような空港はほぼ利用可。利用できる空港の確認はMPCウェブサイトのQ&A ”Where can eligible travelers use MPC?”から。
※登録した空港と違う空港に到着した場合、MPCは使えません。
インターネットが必要
入国審査を受ける空港に到着後、アプリから申請フォームならびに顔写真を撮影してアップロードします。この時インターネットに接続するためWi-Fiやモバイルデータ通信が必要になります。
空港の無料Wi-Fiを利用する、または携帯電話会社のローミングサービスを利用する、SIMやWi-Fiルーターなどをあらかじめ日本から用意するなどして。
なお、申請フォームの登録にはインターネットは必要ありません。機内モードでも登録できます。
2024年8月下旬までに申請をはじめた人は渡航書類の登録が必要です
2024年8月下旬にバージョン2.8がリリースされました。新バージョンではESTAと米国永住権保持者も渡航書類を登録します。
以前のバージョンを利用した人は、アプリを更新後はじめて開くと”Would you like to migrate your old traveler data?”(登録済みのデータを移行しますか?)という質問が立ち上がるはず。
”Yes”を選択しESTAはパスポートの顔写真のページ、永住権はグリーンカードの裏面をスキャンしてください。
登録方法は”Add Travel Document”をタップし、渡航書類をスキャン(Scan Document)か手動で入力する(Manual Entry)か選択。
スキャンした場合は性別や生年月日が自動で入力されます。間違いがなければ左上の”Close”をタップ。
スキャン方法は下記Step9を、手動での入力事項はStep10を参照してください。
モバイルパスポートコントロール登録方法
2024年8月下旬にバージョン2.8がリリースされました。旧バージョンで登録済みの人はこちらを参照して登録内容を更新してください。
初めて登録する人は下記↓のとおりです。
アメリカ/入国する空港に到着前までに
※下記は2024年9月3日時点
※画像はアンドロイド(一部iPhone)のアプリ画面です。
アプリをインストール
App StoreやGoogle Playで「MPC」または「Mobile Passport Control」と検索しアプリをインストール
アプリを立ち上げる
最初に使い方などが4ページ(↑左から4つめまで)にわたり表示されます。
”Skip”で一気に飛ばす、または”Next”をタップし4ページめは”Let’s Go”をタップ
Security Notice
ここには免責事項などが記載されています。同意なら下までスクロールし”Agree”をタップ
What’s new
Security Noticeのあとはアプリの最新情報などをお知らせする”What’s new”が表示されます。”Let’s Go”をタップし次へ
申請をはじめましょう
(3)”New Submission”をタップ
申請開始の画面にあるのは(1)ユーザーズガイド、(2)利用可能な空港/港の一覧、(4)申請フォーム、登録終了後は下記Step16の画面が表示、(5)申請者を表示、(6)設定やユーザーズガイドなど
入国手段を選択
航空機または船から選択
入国する空港/港を選択
(1)枠内をタップし入国する空港/港を選択→(2)”PROCEED”をタップ
アメリカに到着してから申請をはじめると、”◯◯空港の近くにいますか?”というポップアップが立ち上がります。
あっていたら”Yes”を、間違いなら”No”をタップし正しい空港などを選択して。
入国審査を受ける人の申請開始
”Select People”をタップ
右下の”ADD A PERSON”をタップ
申請者の渡航書類を登録
渡航書類を登録します。ESTA認証はパスポート、永住権保持者はグリーンカードを用意して。
渡航書類をスキャンするか手動で登録するか選択
スキャンを選択したら
”OPEN SCANNER”をタップ
スキャンするのはESTA認証はパスポートの顔写真のページ、永住権保持者はグリーンカードの裏面です。
渡航書類の上でスマホを静止させると名前や生年月日を読み込みます。シャッターを押す必要はありません。
読み込みが終わると申請者の情報が入力されたページに移ります。確認後、間違いがなければ”SAVE”をタップ
※性別:女性はFemale、男性はMale
手動で登録を選択したら
氏名や性別などパスポート(ESTA申請者)、グリーンカード(永住権保持者)通りに入力を。
はじめのページで
First Name:名、Last name:姓
Date of Birth:生年月日 ※アンドロイドは月月/日日/西暦の順(例:07/15/1994)
Sex:性別 女性はFemale、男性はMale、Otherもあり
間違いがないか確認後”Add Travel Document”をタップ→”Enter Manually” を選択
次のページで
Type:登録書類を”Passport”(ESTA)、”LPR Card”(永住権)から選択
Document Number:渡航書類の番号(パスポートはパスポート番号)
Issuing Country:日本で発行されたなら”Japan”を選択
Expiration Date:有効期限
間違いがないか確認したら”SAVE”
4ケタの暗証番号を設定
ログイン時に使用する4ケタの数字を登録。暗証番号は忘れないように。
暗証番号設定→次のページで確認のため暗証番号をもう一度入力
生体認証を利用したログインの設定
ログインに生体認証(顔認証、指紋認証など)を利用することもできます。
利用するなら”Enable Biometric Login”をタップし生体認証登録へ。必要なければ”Skip”をタップして次へ。
他の同行者の申請、同行者がいない/すべての同行者の申請が完了
他の同行者を申請する場合は(1)”ADD A PERSON”をタップし渡航書類を登録
同行者がいない/すべての同行者の申請が完了したら(2)”Done”をタップ
申請者が表示される
申請した人の名前の一覧が表示されます。間違いがなければ”PROCEED”をタップ
Security Notice
免責事項などが記載されています。同意するなら下までスクロールし”Agree”をタップ
税関申告
ここからは税関の質問が6つ続きます。質問には”Yes”か”No”で回答。申告は申請者全員で1通のみ。
質問(2024年9月3日時点)
英文はStep15のCBP QUESTIONS参照
Q1)市販用商品を所持していますか?
Q2)現在、通貨または金融商品にして1万ドル以上の米ドル、またはそれに相当する外国通貨を所持していますか?
Q3)海外で取得し、免税範囲を超えて米国に持ち込む物を持っていますか?米国居住者の免税範囲は通常800ドル、フライトクルーは200ドルです。
Q4)果物、野菜、植物、種子、食物、昆虫、肉または肉製品、乳製品、動物または動物/野生動物製品、カタツムリ、土壌を所持していますか?
Q5)家畜の近くにいましたか(接触、扱いなど)?または米国外の農場/牧場/牧草地を訪れましたか?
Q6)病原体、細胞培養または生物学的研究材料を所持していますか?
ESTAは旅行の目的を回答
申請者の名前をタップ→(1)ビジネスは”Business”または”WB”(Visa Waiver Visitor for Business)、観光は”Pleasure”または”WT”(Visa Waiver Visitor for Pleasure/Tourism)を選択→(2)”PROCEED”をタップ
登録内容をレビュー
登録内容を確認できます。
(1)登録内容すべてに正直に正確に回答しているなら□をタップしてチェックを入れる→(2)”Save CBP Form”をタップ
登録完了
”Have you arrived at 入国する空港/港”という画面(↓)になったら登録完了。次はアメリカ到着後です。
”View Saved Form”から登録した内容を見ることができます。
※画像↓はサンノゼ国際空港で入国するときのもの
アメリカ/入国する空港に到着後
入国する空港/港に到着したら
インターネットに接続→アプリをひらき”Yes, Submit Now”をタップして申請を提出→アプリの指示に従い申請者の顔写真を撮影しアップロード
写真は帽子、サングラス、マスク等は取り顔全体がはっきり見えるように撮影して。他人の顔が写り込まないよう注意。
申請成功!
アップロードが成功すると↓が表示されます。モバイルパスポートコントロールは4時間有効です。
入国審査へ
”Mobile Passport Control”や”MPC”などの表示のあるレーンに並びましょう。
レーンがどこかわからなければ、入国審査のレーン前にいるスタッフにアプリのMPC Receipt画面を提示しレーン番号を教えてもらいます。
無事入国したら→預けた荷物をピックアップ→税関を通り→空港の外へ/乗り継ぎ便へ
MPCについて拝見させていただきました。
MPCの条件として「ESTA申請者かつESTA認証による渡航が2回目以降の人」
とありますがこれはESTA有効期限2年の間に2回目以降の人という意味でしょうか。
もしくは過去にESTAで入力している人(ESTAの有効期限が切れて取り直し)も対象でしょうか。
ご教授お願いいたします。
ブログを読んでいただきありがとうございます。
過去にESTAで入国したことがあれば、ESTAを取り直して1回目でもMPCを利用できます。
情報が少なく困っていました。
ありがとうございました。
MPCについて質問です。
同行者についても全員がESTAで2回目以降
でないと、利用は出来ないのですか?
乳幼児も必要ですか?
現時点でのESTAの対象は入国2回目以降の人ですので、全員一緒にMPCを利用したいなら、同行者も全員2回目以降でないと使うことができません。
MPCは年齢による条件免除はなさそうなので、乳幼児もESTA2回目以降でないと利用できないです。
貴重な情報ありがとうございます。
コロナ禍前に1回ESTAを使ってハワイへ行っていますが、昨年パスポートを更新しました。
ESTAの更新で使えるのは分かりましたが、パスポートを更新していても使えるのでしょうかね…もしご存知でしたら教えてください。
過去に一度ESTAで入国していれば、パスポートを更新してもMPCは使えるようです。
コメントありがとうございます。こう言った新しい情報はいろいろ試してみて皆んなにシェアしたいですね。9月に早速試してみます。情報ありがとうございました。
いろいろな情報があって困っています。
5年前にESTA申請して渡米した夫婦がESTA申請1回目の子供を連れてMPC登録をしたけど通れた。とか、全員2回目以降じゃないとMPCレーンじゃない通常のレーンに並び直さなくてはいけなかったなど調べれば調べるほど迷子です。
全員がESTA申請2回目以降じゃないといけないというのはどこの情報か教えていただけますか?
米国国境警備局のMPCのウェブサイト(https://www.cbp.gov/travel/us-citizens/mobile-passport-control)の
”Eligible Travelers”に
Currently, the list of eligible travelers are below.
●U.S. Citizens
●Lawful Permanent Residents
●Canadian B1/B2
●Returning Visa Waiver Program Applicants
とあります。
現時点でESTAでMPCを利用する資格があるのは”Returning Visa Waiver Program Applicants”(ESTA申請者、かつESTA認証による渡航が2回目以降の人)のみです。
ESTA1回目でMPCを通れた人、通れなかった人がいるのは入国審査をおこなった審査官の裁量によるところだと思います。
1回目でも通してくれる審査官もいるし、審査官によっては通常レーンに並び直すよう言うのでは。
もしこのみさんがESTA1回目の人と一緒にMPCを利用するなら、通れるかもしれないし、並びなおしになるかもしれない。その時の審査官次第だと思います。
早々に情報頂けてとても参考になります。
一つ質問ですが、ここ2年連続で年に一回
ディーラーの研修でアメリカに行っています。
入国審査で訪問目的を聞かれた時、「仕事のトレーニング又はミーティングで短期出張」と伝えています。
今回、このMPC申請の「what is yoxr purpose to travel」 の答えは「visa waiver for business 」が適切でしょうか?
それでも観光と答える方が無難でしょうか?
もしくはMPCを諦めて審査官に口頭で説明する方がよろしいでしょうか?
無理やり観光という方が不自然かと思いまして…見解を教えてください。
ビザ申請代行をしている行政書士法人のウェブサイト(https://attorney-office.com/blog/931)の
1-2)目的がビジネスの人は・・・を見ていただくと”会議に参加”とあるので
MPCはビシネスになるかと思います。MPCでも入国審査時に質問を受けます。
もし不安なら、今まで通り通常のレーンに並んでください。
MPCを観光にして、入国審査のときに虚偽の申請をしたと疑われ、別室送りや入国拒否になる方が怖いです。
大変役に立つ情報をありがとうございます。
年末にSFO乗り継ぎでLAに行くのですが、乗り継ぎ時間120分という便をとってしまいました。
どう考えても時間に余裕がありませんよね。
自分の考えの甘さを後悔していたのですが、MPCの情報を知って少し気持ちが楽になりました。
私も同行者もMPCが利用できそうです。
当日の状況にもよるでしょうが、visitorの列に並ぶより20~30分は短縮できると思われますか?
おわかりになる範囲でよいので教えて下さい。
MPCを利用する人が少なければかなり時間の短縮になります。
サンフランシスコではなくロサンゼルスですが、9月上旬にMPCを使い8分で入国審査を通過したと聞きました。
ビジターレーンは普通に混雑していたそうです。
SFOの入国審査は通常レーンに並ぶと1時間以上かかることもあるようです。
MPCが利用できるとのことで良かったです。
コメントありがとうございます。
ロサンゼルスの入国審査が8分ですか!
かなりの時間短縮になりますね。
私もMPCを利用して乗り継ぎがうまくいくよう頑張りたいと思います。
ありがとうございました!