【終了】正体不明の芸術家バンクシーの展覧会、ファッションショーで開催中

バンクシー展

世界をざわつかせる謎のイギリス人アーティスト、バンクシーの作品展「Banksy: Genius or Vandal? Unauthorised Exhibition of artworks by BANKSY(バンクシー展 天才か反逆者か)」が、ファッションショーモールにおいて2020年4月5日まで開催中!



バンクシー展について

バンクシー展
正面は”Bomb Hugger”

「Banksy: Genius or Vandal?」は今までにモスクワ、サンクトペテルブルグ、マドリード、リスボンでひらかれ100万人以上を動員した展覧会。

バンクシー「非公認」なこの展覧会ではコレクター所有のシルクスクリーン、ポスター、ストリートに残された作品の写真、インスタレーションなど70点以上のアートワークを見ることができます。

※同じタイトルの展覧会が2020年3月から横浜で開催予定

展示内容を知りたい

どんな作品が出ているか確認はウェブサイトやスマホアプリで。作品の解説も載っていますがどちらも日本語に対応していないので、翻訳サイトなどを使って日本語化してみて。

ウェブサイトはizi.TRAVELのバンクシー展、または、会場入り口横に掲示されている作品展概要に記載されたQRコード(写真↓)からもアクセス可。

アプリは”izi.TRAVELツーリストオーディオガイド”で検索。会場の作品名横にあるオーデオガイド番号は、このアプリに対応しています。

バンクシー展概要

この展覧会では作品の横に解説は添えられていませんし、音声ガイドの貸し出しもありません。会場で解説を読みたければスマホなどを持参して。
※無料wifiはファッションショーモールのものが利用可

無料wifi

会場は混んでる?

閑散期の12月、それも平日の昼に行ったのでまったく混んでいませんでした。

バンクシー展
“Queen Vic”(2003年)

週末は混雑する可能性があるので、ゆったりみたいなら平日の昼、午前中ならなお良し。

なお、オンラインでチケットを購入すると入場日時を予約することができます。

写真撮影

場内は写真撮影可。フラッシュ使用は不可。セルフィースティックも使うことができません。


展覧会はどうなってる?

会場入り口で迎えてくれるのはドレスアップしたネズミ。2003年にドイツのストリートに描かれた”Red Carpet Dinner Service”という作品から。

バンクシー展入り口

バンクシーを知ろう

現在に至るまでの活動をまとめたビデオ

会場に入りはじめの部屋で、今までの活動をまとめた映像が流れています。けっこう長い。

"Out of Bed Rat" 壁画
“Out of Bed Rat”壁画 ロサンゼルス

アーティストスタジオ

アーティストスタジオ

次の部屋では、バンクシーが監督したドキュメンタリー映画「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP(イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ)」(2010年)に出てくるスタジオを再現。

この映画はアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画部門にノミネートされたほか、数々の映画賞を受賞しました。

また、ここではシルクスクリーンを制作する様子をビデオで見ることができます。

この作品に注目!

アーティストスタジオの先がメインの展示会場

バンクシー展

バンクシーが手掛ける作品は反資本主義、反体制、反戦などのメッセージを込めたものが多く、これらのテーマごとにセクションが分かれています。

バンクシー展
左から”Love is in the air”、”Flying copper”、”Snorting copper”の写真

「Girl with Balloon(風船と少女)」や「Love is in the air(愛は空中に)」のように一度は目にしたことがある有名な作品も出展していますが、下記の作品にも注目してみて。(※個人の意見です)

ネズミの絵のセクション

東京港区の防潮扉で見つかったネズミの絵が話題を呼び、日本での知名度が一気に上昇したバンクシー。

ネズミは繰り返し描かれるモチーフであもり、ここでは6作品を見ることができます。

I Love London 壁画
正面はロンドンにある壁画”I Love London”(2004年)の写真

壁画を壁ごとを展示

いちばんの目玉作品”Stop Esso”は壁画を壁ごと展示。レンガの壁に描かれ重さは320kg。この展覧会の中でいちばん高価な作品だそう。

"Stop Esso"壁画
“Stop Esso”壁画

この作品はポスターも作られています。環境保護団体グリーンピースが2000年からおこなった、石油会社エッソに対する不買運動”Stop Esso campaign”のために制作されました。

"Stop Esso"ポスターの写真
“Stop Esso”ポスターの写真

ディズニー激おこ!

森林破壊に反対する”Save or Delete”キャンペーン(2001年)のポスター。これもグリーンピースのために制作。

Save or Delete
“Save or Delete”ポスター

作品に描かれたのがディズニーのジャングルブックのキャラだっため、著作権について懸念したグリーンピースが、ポスターを使用しなかったとされています。

しかしガーディアン紙によるとグリーンピースはこれを否定。ディズニーから怖い内容の手紙が何通か送られてきたにもかかわらず、2ヶ月間にわたり作品をビルボードなどで露出したということでした。

ディズマランド

ディズニーこれも怒ってるよね?と思うのが、バンクシーがプロデュースした”陰鬱な”テーマパーク「Dismaland(ディズマランド)」

パークの名称やロゴ、展示物のキャラ、スタッフのかぶり物などが夢の国のものとよく似ており、実際、ディズニー社の法定代理人は入場禁止だったとか。

展覧会では下の新聞とポスターのほか、シンデレラ城に酷似した廃墟の城と城の前にたたずむアリエルと見間違うキャラの写真や、園内を撮影した動画を見ることができます。

ディズマランド
ディズマランド開業を告知する地元紙
ディズマランド
ディズマランドのポスター ジェフ・ジレット作

ディズマランドはバンクシーのホームタウンにほど近い海辺の街に、2015年8月から5週間の期間限定でひらかれ、15万人が来場。
園内にはバンクシーはもちろん、ダミアン・ハーストやジェフ・ジレットのような有名アーティーストから無名のアーティストまで、58人の作品が展示されました。

※動画の26秒あたり、城の左にあるトラックがS字状にパイプでつながっている作品”Big Rig Jig”(2007年 Mike Ross作)は、現在フリーモントイーストにあるマーケット&コミュニティスペース”Fergusons Downtown”に設置されています。

希少作品

バンクシーはルーブル美術館や大英博物館などヨーロッパやアメリカの名だたる美術館、博物館を狙い、開館時間中にもかかわらず自分の作品を無断で展示するという騒ぎを起こしました。
数時間で気づかれ撤去されたものから数日間そのままだったものも。

その中のひとつが、スーパーマーケット「テスコ」のプライベートブランドのスープ缶を描いた”Soup Can”。
2005年3月13日、MOMAニューヨーク近代美術館におもむきアンディ・ウォーホルの「キャンベルスープ缶」の隣に勝手に展示。ウォーホールの作風に寄せたことで4日間ばれなかったそうです。

スープ缶
MOMAに展示した”Soup Can”はいちばん左 その右は”Soup Cans”、”Tesco Petrol Bomb”

バンクシー展で見ることができるのは”Soup Can”の色違いの作品。勝手に展示したのは白地、この展覧会にはピンクが出展しています。

スープ缶
左下の3/10がエディションナンバー、右下にはサインも

シルクスクリーンには「エディションナンバー」が振られていて、この数字を見れば作品が全部で何枚刷られたかわかるようになっています。

このピンクのスープ缶のエディションナンバーは3/10(10枚刷った中の3枚め)。ということは、世界中に同じものは10枚しか存在しないということで、かなり希少では?
ちなみにこの作品は色違いが28種あるようです。

※エディションナンバーの分子の数字は単に通し番号。これが「1」でも最終番号でも価値に違いはないそう。

まれな仕事

イギリスのロックバンド、ブラーのアルバム「THINK TANK(シンク・タンク)」(2003年5月5日リリース)のアートワークはバンクシーの手によるもの。
この正体不明のアーティストが企業の仕事を受けることは相当まれなことだとか。

バシンクタンク
“BLUR THINK TANK VINYL DISC”表
シンクタンク

街頭などのグラフィティにこだわり、企業や音楽家などの依頼は全て断っている。2002年に日本のファッションブランド「モンタージュ」にTシャツの図案を2種類、 2003年にブラーのアルバム『シンク・タンク』のジャケットをそれぞれ提供して以後、ソニー、ナイキ、マイクロソフト、ミュージシャンのデヴィッド・ボウイ、オービタル、マッシヴ・アタックなどの申し入れを断っている。

引用:Wikipedia

監視カメラ体験

およそ600万台の監視カメラが稼働しているといわれるイギリス。市民は1日平均300回カメラに撮られるそうです。

バンクシーは2007年、ロンドンのカメラが設置された壁に”One Nation Under CCTV”(監視カメラの下ひとつの国)という作品を残しました。

このセクションでは監視カメラに映ることを体験します。

CCTV体験

モニターの前に立つと、自分の姿がモニターの中に。他のセクションにもひそかにカメラが設置されていて、このモニターで様子を監視することができます。

世間が騒然としたあの作品

展覧会最後の作品は「Girl with Balloon(風船と少女)」

2018年10月、オークションで1億5000万円で落札されると同時に、額縁に仕込んだシュレッダーで途中まで裁断されてしまったものと同じ作品です。

風船と少女
“Girl with Balloon”

オークションに出品されたのは2006年の作品だそうで、この展覧会には600枚限定のサインなし版が出ています。

これまで、数種類の「風船と少女」の限定版プリント作品が定期的に制作されており、それらは時間の経過とともに価値が上昇している。たとえば、2003年には25点の限定サイン付きの「風船と少女」が制作されている。また、2004年と2005年にはサインなしのプリント版が600点とサイン入りのプリント版が150点が制作されている。

引用:Artpedia

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

会場を後にするには、映画のタイトルどおりギフトショップを通ることに。

出口
出口はここ!

出口は「風船と少女」の部屋の中、壁の一部を切り取りました的なベルトで仕切られた、出口だと認識しにくい、出口感ゼロところが出口。

びばラスベガス
ここから出るとわからなくて、出口を探して会場内を右往左往しましたー



ギフトショップ

展示会場から出るとギフトショップ。モールの通路沿いに面しているので、作品展に入らなくてもショップを利用することができます。

ストリートアートに挑戦だ

ギフトショップの壁にストリートアーティストのように絵を描いてみましょう。ペンは写真の右端に写っているディスクに置いてあります。

ギフトショップ

描いているところを動画にすることも。かっこいいエフェクトの効いた15秒ほどのビデオに仕上がります。無料。
撮影はディスク付近にいるスタッフに頼んで。撮影後、モニター横に掲示されたQRコードから動画にアクセスすることができます。

フォトポイント

イギリスの公衆電話のブースはフォトポイント。中にバンクシーを思わせる人物の姿が。

ギフトショップ

展覧会グッズ

グッズはTシャツ(長袖Tシャツ1枚49.99、2枚で75ドル)、フーディー(1枚59.99ドル、2枚で99ドル)、マグカップ(15ドル)といった定番からグラフィティ用スプレー缶、反権力スティッカーブックといったバンクシー展らしいものまで。

ギフトショップ

菓子類、ど定番商品のポストカードやポスターなどはありません。

ギフトショップ

バンクシー展インフォメーション

チケット購入
チケット購入はギフトショップ内のディスクで
  • 期間:~2020年4月5日 12月25日を除く毎日
  • 時間:月-金 午前10時-午後7時(最終入場)/土 午前11時-午後5時(最終入場)/日 午前11時-午後6時(最終入場)
    見学時間は約1時間
  • 入場料:大人(12歳以上)29ドル/子供(4歳-11歳)15ドル 4歳以上入場可
  • 場所:ファッションショーモール1階 Forever21近く
エキシビジョン位置

Fashion Show mall(ファッションショーモール)
住所:3200 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109

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